画面を見続けるオンライン学習 子供の目と姿勢を守る家庭での工夫
オンライン学習と切っても切り離せない「画面を見る時間」への懸念
近年、オンライン学習は教育の選択肢として身近なものになりました。住んでいる地域に関わらず、様々な学びの機会を得られることは、多くのご家庭にとって希望をもたらす側面もあるかと存じます。一方で、オンライン学習にはどうしても「画面を長時間見続ける」という側面が伴います。
「うちの子、ずっと画面を見ているけれど、目や体に悪影響はないのだろうか?」 「姿勢が悪くなってしまわないか心配」
このように感じていらっしゃる保護者の方は少なくないようです。特に、お子さんがオンライン学習に一生懸命取り組んでいる姿を見るほど、その健康面への配慮は気になるところではないでしょうか。
この画面を見る時間が長くなることによる影響は、お子さんの体調だけでなく、集中力の維持や学習効果にも関わってくる可能性があります。ここでは、オンライン学習に取り組むお子さんの健康、特に目や姿勢を守るために、ご家庭でできる具体的な対策や工夫について考えてみたいと思います。
なぜ画面を見続けることが心配なのでしょうか
長時間、近くの画面を見続けることは、目に大きな負担をかける可能性があります。目が疲れやすくなったり、視力が一時的に低下したり、場合によっては近視が進む原因の一つとなることも指摘されています。また、画面に集中するあまり、無意識のうちに猫背になったり、肩や首に力が入ってしまったりして、姿勢が悪化し、肩こりや首の痛みを訴えるお子さんもいるかもしれません。
特に成長期のお子さんにとって、目や体の健康は学びの基盤です。適切な対策を取ることは、オンライン学習を長く、そして効果的に続けるためにも大切なことと言えます。
ご家庭でできる環境面・習慣面の対策
では、具体的にどのような対策をご家庭で取り入れることができるのでしょうか。大がかりなことではなく、日々の少しの心がけや簡単な工夫から始められることがあります。
環境面での工夫
- 画面の明るさと距離: 画面は明るすぎず、暗すぎない適切な明るさに調整しましょう。お子さんの目が疲れにくい設定を一緒に探してみてください。画面との距離は、目安として画面の対角線の長さの5倍程度が良いとされていますが、お子さんが楽に見られる距離で、少なくとも30cm以上は離れるように意識することが大切です。
- 姿勢と机・椅子: 足がきちんと床につく高さの椅子を選び、背筋を伸ばして座れるように調整します。もし、お子さんの体格に合わない場合は、クッションや足台などを使って調整してみるのも良いでしょう。画面の高さは、目線よりやや下になるようにすると、首への負担が少なくなります。ノートパソコンの場合は、下に台を置いて高さを調整することも有効です。
- 部屋の照明: 画面だけが明るい状況は目が疲れやすいため、部屋全体を適切な明るさに保つことが重要です。画面に光が反射したり、逆光になったりしないような配置を心がけましょう。間接照明などを活用するのも良い方法です。
- ブルーライト対策: スマートフォンやPCには、ブルーライトカット機能がついているものが多いです。そういった機能を活用したり、ブルーライトカットの眼鏡を検討したりするのも一つの方法です。ただし、過信せず、こまめな休憩とセットで考えることが大切です。
習慣面での工夫
- こまめな休憩: オンライン学習中は、意識的に休憩時間を設けるようにしましょう。一般的には、30分から1時間に一度、10分程度の休憩が良いとされています。タイマーを使って時間を区切り、休憩を習慣にするのがおすすめです。
- 休憩中の過ごし方: 休憩中は、画面から完全に離れることが大切です。遠くの景色を見たり、軽く体を動かしたり、部屋の中を歩き回ったりするだけでも、目や体の負担を軽減できます。スマートフォンでの休憩は、結局画面を見ることになるため避けた方が無難です。
- 他の活動とのバランス: オンライン学習だけでなく、外遊びや運動、読書など、画面を見ない活動の時間もバランス良く取り入れることが、お子さんの心身の健康には不可欠です。意識的に体を動かす時間を確保するようにしましょう。
- 声かけと見守り: お子さん任せにするのではなく、「目が疲れていない?」「姿勢が崩れていないかな?」など、保護者の方から声かけをしてみましょう。時には一緒に簡単な体操やストレッチをするのも良いコミュニケーションになります。
他の保護者の工夫談
実際にオンライン学習を取り入れているご家庭では、様々な工夫をされています。例えば、
- ある保護者の方は、「オンライン授業が始まる前に、『終わったら一緒に庭に出ようね』と声をかけて、終わりの楽しみを作るようにしました。そうすると、休憩時間も外に出て、自然と遠くを見る時間ができています」とお話しされていました。
- 別のご家庭では、「学習時間に応じて、タイマーでアラームが鳴るように設定しています。最初は嫌がっていた子供も、慣れてくるとアラームが鳴ったら『休憩!』と自分から言うようになりました」という声もありました。
- また、「特別高い椅子や机は買えなかったので、家にあるクッションや箱を使って、子供の体格に合わせて高さを調整しました。少しの工夫で、意外と良い姿勢で座れるようになったと感じています」という方もいらっしゃいます。
こうした小さな工夫でも、お子さんの健康を守る上で大きな意味を持つことがあります。すべてを真似する必要はありませんが、他のご家庭の経験を参考に、ご自身のお子さんに合う方法を見つけていくのも良いかもしれません。
大切なのは、無理なく続けることと相談すること
ご紹介した対策を全て一度に取り入れるのは難しいかもしれません。まずは一つか二つ、お子さんと一緒に取り組みやすいものから始めてみてください。大切なのは、お子さんと一緒に話し合いながら、無理なく続けられる方法を見つけることです。
もし、お子さんが目の疲れや体の痛みを頻繁に訴えたり、明らかに視力が低下したように感じたりする場合は、自己判断せずに専門家(眼科医など)に相談することも重要です。
オンライン学習は、学びの可能性を広げる素晴らしいツールですが、お子さんの健康があってこそです。ご家庭でできることから少しずつ工夫して、お子さんが心身ともに元気に学べる環境を整えていきましょう。
画面時間や健康について、他の保護者の方はどう工夫しているのか、どんな悩みを抱えているのか、もしよろしければこの「オンライン学習の悩み相談広場」で皆さんの声を聞かせていただけませんか。