オンライン学習で育む子どもの自信 他の保護者の経験談から学ぶ声かけと実践のヒント
オンライン学習で見つけた「わかった」を「できた!」につなげるために
オンライン学習に取り組んでいる中で、「オンライン教材の内容は理解しているようだけど、本当に身についているのかしら」「自信につながっているのかな」と、お子さんの様子を見て不安を感じることはありませんでしょうか。画面の中ではスムーズに進んでいても、いざという時に応用できなかったり、自信なさげな態度が見えたりすると、保護者としては心配になるものです。
オンライン学習で得た知識やスキルを、お子さんが「自分はこれができるんだ」という確かな自信に変え、次の学びへの意欲につなげていくことはとても大切です。では、どのようにサポートすれば良いのでしょうか。ここでは、他の保護者の方々の経験談も参考にしながら、家庭でできる声かけや実践のヒントをご紹介します。
学んだことを「できた!」に変えるためのポイント
オンライン学習は、地域や時間に縛られず、多様な学びの機会を得られる素晴らしいツールです。しかし、知識として「知っている」「わかった」状態から、実際に「できる」という自信につなげるまでには、保護者の方の少しの工夫やサポートが役立ちます。
小さな成功体験を積み重ねる
オンライン学習の内容全てを完璧に理解させる必要はありません。まずは、お子さんが少し頑張ればできるような、難易度が適切な部分に焦点を当ててみましょう。
例えば、 * オンライン英会話で習った一つの単語やフレーズを、家で使ってみる。 * 算数のオンラインドリルで、前回間違えたタイプの問題を今回は自力で解いてみる。 * プログラミング学習で、テキスト通りに簡単なプログラムを完成させてみる。
といった、比較的小さな目標を設定し、それが達成できた時にしっかりと認めてあげることが重要です。
学んだことを「実践」する機会を作る
オンラインで学んだ知識やスキルを、現実の生活や他の場面で使ってみることが、自信を育む上で非常に効果的です。
- オンライン英会話: 家族に習った英単語を教えてみる、簡単な英語の歌を一緒に歌う、オンラインで学んだフレーズを使ってお店や公共の場で話しかけてみる(保護者の方がリードしながらでも)。
- オンライン学習教材: 興味を持った歴史上の人物について家族に話してみる、理科の実験動画で見た内容に関連する現象を日常生活の中で見つけてみる、算数で学んだ計算を買い物のお手伝いで使ってみる。
- オンラインプログラミング: 学んだ知識を使って簡単なゲームやアニメーションを作り、お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃんに見せてみる。
このように、学んだことを「使う」機会を作ることで、「勉強したことが役に立った」「自分にもできた」という実感が得られ、それが強い自信につながります。
「わかったつもり」を防ぎ、「できた!」を確実にする確認
オンライン学習では、一人で進めることも多いため、「わかったつもり」になりやすい側面もあります。学んだ内容が本当に身についているかを確認し、「できた!」という自信につなげるための確認も大切です。
- お子さんに、今日オンライン学習で何を学んだか、自分の言葉で説明してもらう。
- 簡単な問題を出して、一緒に解いてみる。
- オンライン教材に理解度チェックやミニテストがあれば活用する。
- 難しい場合は、「ここが分からなかったんだけど、教えてくれる?」と保護者の方が「教わる」立場になって質問してみるのも良い方法です。人に説明することで、自分の理解が深まり、さらに自信につながります。
他の保護者の経験談から学ぶヒント
実際にオンライン学習に取り組んでいる他の保護者の方々は、どのようにしてお子さんの自信を育んでいるのでしょうか。いくつかの例をご紹介します。
【経験談1:オンライン英会話で自信がついたAさんの場合】 「うちの子は人見知りな方で、最初はオンライン英会話でも恥ずかしがって声が出ませんでした。でも、先生が優しく待ってくださって、少しずつ単語が出てくるように。ある日、近所で外国人観光客の方に道を聞かれた時、私が困っていたら、習ったばかりの『Straight ahead.』(まっすぐです)と小さな声で言えたんです。その観光客の方が『Thank you!』と言ってくださった時の、子どもの誇らしげな顔といったら!それから、もっと英語を話してみたいと自分から言うようになりました。間違えても大丈夫、伝わることが嬉しいという小さな成功体験が、大きな自信になったようです。結果だけでなく、『あの時、勇気を出して言えたね』と具体的な行動を褒めるようにしています。」
【経験談2:オンライン教材の内容を家族に発表 Bさんの場合】 「歴史が好きなのですが、オンライン教材で学んだことをただテキストを見ているだけのように感じていました。そこで、『今日学んだ〇〇について、お父さんとお母さんに教えてくれる?』とお願いしてみたんです。最初は嫌がりましたが、図鑑や地図を見ながら、自分なりにまとめて話してくれました。少し間違っているところもありましたが、『へえ!そうなんだ!』と真剣に聞いていると、だんだん自信が出てきたようす。話し終わった後、『すごく分かりやすかったよ。お母さんも勉強になった!ありがとう』と伝えたら、とても嬉しそうでした。アウトプットする機会を作ることで、単に覚えるだけでなく、理解しよう、伝えようという気持ちが強くなったように感じます。」
【経験談3:プログラミング学習で意欲アップ Cさんの場合】 「オンラインでプログラミング学習を始めたものの、なかなか自分から進んでやろうとしませんでした。テキストを見ながら模写しているだけで、本当に理解しているのか分からなくて。先生に相談したところ、『テキストをなぞるだけでなく、学んだブロックを使ってオリジナルのキャラクターを動かしてみるなど、少しアレンジする目標を持たせてはどうか』とアドバイスをいただきました。そこで、『テキストの通りにできたら、次は好きな動物を動かしてみようか!』と誘ってみたんです。自分で試行錯誤して動かせた時は、本当に嬉しそうでした。完成した簡単な作品を家族に見せると、『すごいね!』と褒められ、それが次へのモチベーションになったようです。『次はこんなの作りたい!』と、以前より意欲的に取り組んでいます。」
これらの経験談から分かるように、学んだことを日常生活の中で使ってみたり、家族に説明したり見せたりといった「実践」の機会を作ること、そしてその結果やプロセスを保護者が具体的に認め、褒めることが、お子さんの自信や意欲を大きく引き出す鍵となります。
家庭でのサポートのヒント
- 結果だけでなくプロセスや努力を褒める: 「〇〇ができたね、すごいね!」だけでなく、「前の時はここが難しかったのに、今回は諦めずに最後まで頑張ったね」「自分で調べて理解しようとしたのが素晴らしいね」など、具体的な行動や努力に注目しましょう。
- 間違いを否定しない: 間違えた時こそ学びのチャンスです。「なんでできないの」ではなく、「難しいよね、どこが分からなかった?」「次はどうすればいいかな?」と、一緒に解決策を考える姿勢を示しましょう。
- 保護者も興味を持つ姿勢を見せる: お子さんが学んでいる内容について、「今日〇〇を勉強したんだね、どんな内容だったの?」と積極的に質問したり、一緒にオンライン教材の一部を体験してみたりすることで、お子さんの学ぶ意欲が高まります。
- 完璧を目指さない: すべてをすぐに理解したり、完璧にこなしたりすることは難しいものです。焦らず、お子さんのペースや興味関心に合わせて、無理のない範囲でサポートすることが大切です。
まとめ
オンライン学習は、お子さんの知識やスキルを広げるだけでなく、自信や意欲といった非認知能力を育む可能性も秘めています。学んだことを「わかった」で終わらせず、「できた!」という成功体験につなげるためには、家庭での温かいサポートと、学んだ内容を実践する機会作りが効果的です。
他の保護者の方々の経験談も参考にしながら、ぜひお子さんに合った方法を見つけてみてください。そして、もしオンライン学習での悩みや、お子さんの自信を育む上での工夫などがあれば、ぜひこの広場で他の保護者の方々と共有してみてください。一人で抱え込まず、皆で知恵を出し合うことで、きっと新しいヒントが見つかるはずです。