オンライン学習で見守るだけじゃない 親子のコミュニケーション、どう変わる? 保護者の本音とヒント
オンライン学習で見守るだけじゃない 親子のコミュニケーション、どう変わる?
お子さまのオンライン学習が始まり、ご家庭での様子を見守る機会が増えた方もいらっしゃるかもしれません。画面に向かって学習するお子さまの姿を見ていると、「これで良いのかな」「もっと何かできることはあるのだろうか」と、これまでとは違う関わり方に戸惑いを感じることもあるのではないでしょうか。
地域の学校や塾での学習とは異なり、ご家庭という最も身近な場所で行われるオンライン学習では、保護者の方とお子さまとのコミュニケーションの取り方も自然と変化してきます。今日は、オンライン学習が始まってから親子の関わり方がどう変わったか、他の保護者の方々がどのような悩みを持ち、どんな工夫をされているのかを見ていきましょう。
オンライン学習が変える親子の「距離感」と「関わり方」
オンライン学習が始まると、物理的な距離は近くなります。お子さまがリビングや自室で学習する様子が目に入りやすくなります。しかし、学習中は画面の中の世界に集中しているため、以前のように学習中に気軽に声をかけたり、隣で教えたりすることが難しく感じる場面があるかもしれません。
具体的な変化の例
- 声かけのタイミング: レッスンの途中や集中している時には声をかけづらくなる。
- 学習内容への介入: 先生の説明を聞いている最中や、課題に取り組んでいる時に、保護者が横から口を出すのは避けるべきか迷う。
- 進捗の見守り方: 実際に書いたノートや解いた問題を見る機会が減り、システム上の進捗報告だけでは不安を感じることもある。
- 質問への対応: すぐに質問できない場合、保護者に聞かれる機会が増えるが、どこまで教えるべきか、自分で考えさせるべきか悩む。
こうした変化の中で、保護者の方々は様々な「本音」を抱えているようです。
保護者がオンライン学習で見守る中で感じやすい悩み
「うちの子はちゃんと画面を見て理解できているのだろうか」 「先生が話している内容、分かっているのかな?」 「どこまで手助けして良いのか基準が分からない」 「他の子はもっと積極的に先生に質問できているのかしら」 「自分の頃の勉強方法とは違うから、アドバイスして良いのか迷う」
このような悩みは、オンライン学習という新しい形だからこそ生まれるものです。特にお子さまがオンライン学習についていけるか不安を感じている場合、見守る側の保護者も「何かできることをしなければ」という気持ちになり、より悩みが深まることもあります。
地域に情報が少ないと感じている方や、周りにオンライン学習をしている知り合いがいない場合、他のご家庭がどうしているのか分からずに、一人で抱え込んでしまうこともあるかもしれません。
他の保護者の経験談に学ぶ「新しい関わり方」と「工夫」
では、他の保護者の方々は、こうした関わり方の変化や悩みに対し、どのように向き合っているのでしょうか。実際の声や工夫を見てみましょう。
「できたこと」に目を向ける声かけ
- 「以前は『ここができていない』に目が行きがちでしたが、オンライン学習になってからは、レッスンが終わった後に『今日の〇〇、先生の話をしっかり聞いていたね!』とか、『難しい問題にも最後まで取り組んでいたね、えらいね!』と、頑張った過程やできた部分を具体的に褒めるようにしました。そうすることで、子どもも自信がついたようです」(小学4年生保護者)
無理なく「一緒に見る時間」を作る
- 「フルタイムで働いているので、ずっと見ているのは不可能ですが、週末などに一緒にオンライン教材の復習動画を少しだけ一緒に見る時間を作っています。一緒に見ることで、どこが分かっていてどこが苦手そうかが見えますし、『ここ、面白いね』と声をかけると、子どもも話しやすくなるようです」(小学5年生保護者)
学習内容より「環境」や「習慣」をサポート
- 「私は勉強を教えるのが苦手なので、学習内容そのものには深く立ち入りません。その代わり、オンライン学習がスムーズに進むような環境作り(静かな場所の確保や必要なものをすぐに渡せるようにしておく)や、『何時から始める?』『今日はどこまでやる?』といった声かけで、学習習慣を自分で作れるようにサポートしています。子どもが自分で計画を立てて実行できるようになったのは、オンライン学習のおかげかもしれません」(中学1年生保護者)
安心感を与える「いつでもヘルプするよ」のサイン
- 「子どもがオンライン学習中に困っている様子でも、すぐに口出ししないように気をつけています。ただ、『分からないことがあったら、いつでもママに言ってね』と、いつでも助けを求められる存在であることを伝えています。自分で考える時間を与えつつ、最終的なセーフティネットがあると感じられるようにしているつもりです」(小学6年生保護者)
コミュニティで情報を共有し、一人で抱え込まない
- 「最初は『これで良いのかな』と不安でいっぱいでしたが、同じオンライン学習をしているママ友と情報交換する中で、『みんな同じように悩んでいるんだ』と分かって安心しました。他のご家庭の工夫を聞いて、うちでも試してみたりしています。完璧を目指す必要はないんだと思えるようになりました」(小学3年生保護者)
これらの経験談から分かるのは、オンライン学習における親子の関わり方に「これが正解」という一つだけの形はないということです。ご家庭の状況やお子さまの個性に合わせて、試行錯誤しながら、新しいコミュニケーションの形を見つけていくことが大切なようです。
オンライン学習が生む新たな親子の絆と発見
オンライン学習を通じて、お子さまの学習中の真剣な表情や、つまづきながらも粘り強く問題に取り組む姿を間近で見ることで、新たな発見があるかもしれません。また、一緒に画面を見たり、学習環境を整えたりする中で、以前とは違う形の会話が生まれ、親子の絆が深まることもあります。
地域にはない多様な先生や他の学習者との出会いも、お子さまにとっては貴重な経験です。その様子を見守る中で、保護者の方も、お子さまの興味や得意なことについて、より深く知ることができる機会になるでしょう。
最後に
オンライン学習が始まって、お子さまとの関わり方に変化を感じたり、これで良いのかと悩んだりすることは自然なことです。完璧を目指すのではなく、お子さまと一緒に新しい学びの形に適応していくプロセスそのものを大切にしてみてはいかがでしょうか。
もし、「うちの子の場合はどうすれば良いんだろう」「他の人はもっと具体的にどんな工夫をしているの?」といった疑問や不安があれば、ぜひこの「オンライン学習の悩み相談広場」で他の保護者の方々に聞いてみてください。あなたの経験も、きっと他の誰かのヒントになるはずです。
お一人で悩まず、経験を共有し合うことで、きっと新しい気づきや解決の糸口が見つかるでしょう。