オンライン学習でわからないこと、どう聞けばいい? 子どもが先生に「質問・相談」するコツ
オンライン学習、わからないことをそのままにしていませんか?
オンライン学習は、自宅で質の高い学びに触れられる素晴らしい機会です。しかし、教室で先生に気軽に「ここ、どういうことですか?」と声をかけたり、友達に聞き合ったりすることが難しいと感じているお子さんもいるかもしれません。
特に、新しい学習スタイルに慣れるまでは、「わからないことがあっても、どう聞けばいいのかわからない」「先生に聞くのが恥ずかしい」と感じてしまい、つまずいたまま先に進めなくなってしまうのではないかと心配されている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
地域によっては、すぐに質問できる学習塾などが近くにない場合もあり、オンラインでの質問や相談のスキルは、お子さんが主体的に学びを進める上で大切な力となります。
この記事では、オンライン学習で子どもがわからないことや困ったことを一人で抱え込まず、先生やサポートの方に上手に「質問・相談」するための具体的な方法と、保護者ができるサポートについてご紹介します。他の保護者の方の経験談も交えながら見ていきましょう。
オンライン学習での「質問・相談」の難しさ
なぜ、オンライン学習では質問や相談が難しく感じられることがあるのでしょうか。いくつか理由が考えられます。
- 対面ではないコミュニケーション: 画面越しでのやり取りは、教室でのように先生の表情や雰囲気をすぐに読み取ることが難しく、声かけのタイミングをつかみにくいことがあります。
- コミュニケーションツールの違い: チャット、メール、専用フォーム、オンライン会議中の挙手など、サービスによって様々な方法があります。それぞれの使い方に慣れるまで戸労する場合があります。
- 「いつでも聞けるわけではない」という意識: リアルタイムの授業以外では、質問できる時間が決まっていたり、返信に時間がかかったりすることもあります。
- 質問の「仕方」が分からない: 何がどうわからないのかを言葉にして伝えるのが難しかったり、簡潔に要点をまとめたりする練習が必要な場合があります。
- 遠慮や恥ずかしさ: 他の子に聞かれるのが嫌だ、こんな簡単なことを聞いてもいいのかな、といった気持ちから質問をためらってしまうこともあります。
子どもが上手に質問・相談するための具体的なコツ
これらの「壁」を乗り越えるために、子ども自身が意識できることや、保護者がサポートできる具体的なコツをいくつかご紹介します。
1. 質問・相談する内容を整理する
まずは、何がわからないのか、何に困っているのかを子ども自身が明確にする練習が大切です。
- 「どこが」「なぜ」わからないかを具体的に: 例えば算数の問題なら、「□ページ目の大問3の(2)の計算式がわからない」だけでなく、「なぜここでこの公式を使うのかが理解できない」のように、つまずきの原因を具体的に言葉にしてみます。
- テキストや教材を見直す: わからないと思った箇所の近くにヒントがないか、一度学んだ内容と関連がないかなど、再度自分で確認する習慣をつけます。
- メモを取る: 学習中や宿題をしている最中に「わからないな」と思ったところに付箋を貼ったり、簡単なメモを取ったりしておくと、後で質問する際に役立ちます。
2. 質問・相談の「方法」を使い分ける練習
オンライン学習サービスには様々なコミュニケーションツールがあります。それぞれの特徴を理解し、上手に使い分ける練習をします。
- チャットやメール:
- 簡潔に、具体的に: 長文にならないように、聞きたいことを絞って書く練習をします。「〇〇の〇〇がわかりません。テキストの□ページです。」のように具体的に書けると伝わりやすいです。
- 件名で内容を示す: メールの場合、件名に「【質問】算数 □ページ」のように入れると、先生もすぐに内容を把握できます。
- 送信前に読み返す: 書いた文章を一度声に出して読んでみると、分かりにくい点に気づきやすいです。
- オンライン会議中のQ&A時間:
- 事前に質問を用意: 授業中に疑問点が出てきたら、メモしておき、Q&Aの時間になったらそれを基に質問します。
- 「挙手機能」などを活用: オンライン会議システムの機能を使って、質問の意思表示をします。
- 専用の質問掲示板やフォーラム:
- 他の人の質問を見る: 同じ疑問を持っている人がいるか、既に回答が出ていないかを確認します。
- 書き込む練習: 新たに質問する際は、聞きたい内容、テキストのページ数などを丁寧に入力します。
3. 「いつ」「誰に」聞けばいいかを知る
サービスによって、質問を受け付けている曜日や時間帯、担当者が異なります。
- 質問受付時間を確認: 授業時間外でも質問できる時間帯があるか、メールやチャットの返信目安時間などを事前に確認しておきます。
- 質問相手を把握: 先生、チューター、技術サポートなど、誰に何を質問すれば良いかを把握しておくとスムーズです。例えば、学習内容の質問は先生やチューター、システム操作の質問はサポート窓口、というように分かれている場合があります。
保護者としてできるサポート
お子さんがオンライン学習で質問や相談をしやすくなるように、保護者としてできるサポートも多くあります。
- 一緒に質問の準備をする: 最初は「何がわからないの?」「どこが引っかかる?」と一緒に考えたり、質問したい内容をメモにまとめるのを手伝ったりします。
- 質問の「型」を教える: 「〇〇の△△について教えてください。なぜなら〜が理解できていないからです。」のように、質問する際の基本的な構成を一緒に練習します。
- サービスごとの質問ルールを確認し、子どもに伝える: 質問受付時間、連絡先、質問方法などを把握し、お子さんと共有します。「これはチャットで聞ける時間だよ」「この操作がわからないときは、この電話番号に聞いてごらん」のように具体的に伝えます。
- 質問できたことを褒める: 小さな質問でも、先生やサポートに自分で聞けたことを積極的に褒めます。「〇〇君、自分で聞けたんだね、すごいね!」という声かけは、次への自信につながります。
- 失敗を責めない: たとえ質問の仕方が悪くて伝わらなかったり、間違った内容を聞いてしまったりしても、「次はこう工夫してみようか」と前向きな声かけをします。
- 質問しやすい雰囲気を作る: 保護者自身も、わからないことを聞いたり相談したりすることを肯定的に捉える姿勢を見せることが大切です。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ということわざのように、わからないままにしないことの重要性を伝えます。
他の保護者の経験談から学ぶ
オンライン学習に慣れてきた保護者の方々からは、このような声が聞かれます。
- 「うちの子は最初は先生に話しかけるのが苦手でしたが、チャットで短い質問から始めさせました。返信が来るのが嬉しかったようで、少しずつ慣れていったようです。」
- 「質問する内容を一緒に紙に書き出すところから始めました。箇条書きにして、何を聞きたいのか整理する練習になりました。」
- 「サービスによっては、子ども向けに『質問の仕方講座』のような動画があったりします。それを見せるのも効果的でした。」
- 「先生がいつも『いつでも遠慮なく聞いてね』と声かけしてくれるので、子どもも安心したようです。サービスを選ぶときに、先生とのコミュニケーションの取りやすさも見ておくべきだと感じました。」
このような経験談は、これからオンライン学習を始める方や、お子さんが質問に困っている方にとって、具体的なヒントになるのではないでしょうか。
まとめ
オンライン学習で、子どもがわからないことをそのままにせず、先生やサポートの方に適切に「質問・相談」できるスキルは、学びを深める上で非常に重要です。最初は難しく感じるかもしれませんが、質問する内容の整理、コミュニケーションツールの使い方、そして「いつ」「誰に」聞けばいいかを知ることで、少しずつ慣れていくことができます。
保護者の皆さんも、お子さんと一緒に質問の練習をしたり、サービスの使い方をサポートしたりすることで、お子さんの「聞く力」を育むことができます。他の保護者の経験談も参考にしながら、お子さんに合った方法を見つけてみてください。
もし、この記事を読んで「うちの子も質問で困っているな」「他の家ではどうサポートしているんだろう?」と感じた方がいらっしゃれば、ぜひこのサイトの悩み相談広場であなたの経験や疑問を共有してみてください。他の保護者の方からの思わぬヒントが得られるかもしれません。